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ペットとすむむ

東京都杉並区
森田賢吾、森田仁美

ゆったりとした「猫の時間」から
暮らしの豊かさを学ぶ。

Photo/Mie Morimoto
Text/Rie Nishikawa
Edit/Tami Okano

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Photo/Mie Morimoto
Text/Rie Nishikawa
Edit/Tami Okano

デザイン会社「Hi! Design」を主宰するクリエイティブディレクターの森田賢吾さんとブランドプロデューサーの森田仁美さん。公私共にパートナーである2人が暮らしているのは、ガラスのファサードが印象的な人気のデザイナーズマンション。猫と暮らせること、バイク置き場があることなど、いくつかの条件をもとに探し当て、6年ほど前に引っ越してきました。モノトーンを基調とした内装の住まいを訪ね、2匹の猫との暮らしについて聞きました。

PROFILE 森田賢吾
森田賢吾
森田仁美
森田仁美

森田賢吾さん、森田仁美さんともに1984年神奈川県生まれ。賢吾さんは、多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業後、大貫デザイン、博報堂デザインを経て独立。仁美さんは多摩美術大学生産デザイン学科テキスタイル専攻卒業後、服飾雑貨の企画デザイン会社などを経て独立。2人で2023年にブランディングをベースとしたデザイン会社「Hi! Design」設立。国内外のデザイン賞を多数受賞。大阪・関西万博のドローンショーのアートディレクションも手がけた。
https://hi-designinc.com

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写真正面、リビングの白い壁を背にして設えた棚は、アメリカの工業用シェルフ。2人ともインダストリアルな家具が好きだという。棚には、DJでもある賢吾さんのレコードやターンテーブル、釣り用リール、鉱石などのコレクションが並ぶ。

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茶色がかったグレーの毛並みが美しい、しじみ(雌)13歳。ちょっと臆病な性格で、来客時はバスルームに隠れることも。白猫のやっこ(雄)を保護施設から引き取った後、同施設から同い年のしじみを迎え入れた。

2匹の猫と暮らすからこそ、すっきりと。

部屋探しの条件は、「猫2匹と暮らせて、バイクが置けて、東京都内、おしゃれな部屋」。そう簡単には見つからない。不動産屋さんに物件探しアプリ、ポータルサイトを駆使し、やっと見つけた部屋は、最寄りの2駅からともに徒歩約15分。静かな住宅街に建つデザイナーズマンションだった。コンクリート打ちっぱなしの建物はフロアによって間取りが異なり、森田家の部屋は1LDKの約64㎡。大きな窓をもつリビングの床は黒色で、フローリングのキッチンとベッドルームはリビングから一段上がった、高低差のある造り。透明ガラスのドアに猫足のバスタブが置かれたバスルームなど、内装も個性的だ。

「趣味の釣り道具や鉱石など、集めているものが多いので、それらを置いて映えるような部屋を探していました。周辺には大きな公園も多く、住環境もいい。駅からの遠さは、歩くことで日常的に運動ができるとポジティブに捉えています」(賢吾さん)

「以前に住んでいたところは、駅に近くて商店街からもすぐの場所でした。にぎやかな町に長く暮らしていたので、今の静かな環境に慣れるのに1年くらいかかりましたが、猫たちはたっぷりと陽の入る窓際がお気に入りです」(仁美さん)

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ベッドルームの一角にあるデスクは、やっこのお気に入りの場所のひとつ。デスク上には、賢吾さんがフライフィッシング用の毛ばりを作るための用具が置かれている。

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賢吾さんとしじみ。ベッドルームの窓下には、写真や蝶の標本など、額装されたアート作品が並ぶ。写真右の扉の先にウィークインクローゼット。ゆとりのある広さで、衣類や生活用品のストックなどをまとめて収納している。

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ステンレスのカウンターに4口コンロとシンクが並ぶキッチンとダイニング。テーブルは<Pacific Funiture Service>のオリジナル。キッチン、ダイニングともに、空間を広く感じさせる工夫として、背の高い家具を置いていない。

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仁美さんの趣味である、ビカクシダ(コウモリラン)やラン類に水やり中のバスルーム。ビカクシダは熱帯から亜熱帯地域が原産で高温多湿を好む。自然界では木に自生するため、コルクや木の樹皮をベースにして育てている。

部屋探しの条件の筆頭が、「ペット可」だったという2人だが、室内を見渡してもキャットタワーやキャットウォークといった、「猫のためのインテリア」は特にない。言われてみれば、バスルームに猫トイレ、ベッドルームにコンパクトな爪研ぎハウスがあるくらい。猫のおもちゃやケア用品は、テレビ台として使っているキャビネットの引き出しにまとめてある。

「特におもちゃは、その都度出した方が、猫たちも新鮮な気持ちで遊んでくれます。グリーンと猫との兼ね合いもよく聞かれるのですが、やっこが構ってほしい時に、わざとビカクシダの葉を噛んで気を引こうとすることがありますが、食べることはないですね。代わりに猫草を常に窓際に置いています」(仁美さん)

「キャットタワーの代わりになるような高さのある家具はありませんが、ジャンプして上に乗りやすいように、キャビネットの横にスツールを置いたり、実は、猫にとっての“ステップ”になるような家具の配置にしています」(賢吾さん)

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ベッドルームの棚はリビングと同じ工業用シェルフ。小物類はボックスの中に収納している。棚の上に飾った石や鉱物の中には、川で自分たちで拾ったものも。段ボール製の爪研ぎボックスはインテリアに合うものを選んだ。

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ダイニングとバス&サニタリールームとの間の壁は、入居時からこの濃紺だった。猫トイレは、2段式のシステムトイレではなく、シンプルな<HY CAT>のラージサイズ。左にトイレシート、右に猫砂を入れている。

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「やっこ」の名は、保護施設から迎え入れた子猫の頃、頭の上にだけ黒い毛があり、冷奴みたいだったことから命名されたという。今では全身真っ白になった。ママっ子で、食いしん坊&甘えん坊な男子。

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もう1匹猫が? と見間違う黒猫のシルエット。<tomotake>の泥染めのぬいぐるみクッションで、寝室の白のベッドカバーの端にちょこんと置かれている。インダストリアルな雰囲気の室内にあって、そのかわいさに和む一角。

「この部屋で猫と暮らすうちに、生活の仕方も異なってきた」と2人は話す。実は部屋の中に余計なものを置かなくなったのも、猫がきっかけのひとつ。外に出ているものを倒したり、落としたりするので、生活で使うものは基本的にしまうようになった、という。

「収納が多い部屋ではありませんし、収納家具もあまり置いていません。好きなものは多い方だと思いますが、何かと増えがちな食器類も、キッチン奥のキャビネットに収まるだけ、と決め、それ以上は増やさないようにしています。また、黒い床は猫毛が目立つのがネックですが、だからこそコンスタントに掃除しようという気になります」(仁美さん)

子供の頃から猫と育ち、猫のいる暮らしが当たり前という仁美さんに対し、結婚を機に迎え入れた、やっことしじみが初めての猫だという賢吾さん。

「僕はもともと、時間があるとどこかに出かけたり、何かしようとするタイプ。でも猫たちが1日中ごろごろして、日向ぼっこしている姿を見ていると、もっとゆっくりしてもいいんじゃないかと気付かされます」(賢吾さん)。

猫と一緒に暮らす、ゆったりとした時間の豊かさが、この部屋をより美しく整えてくれている。

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リビングの窓際には、仁美さんが育てている観葉植物がぎっしりと並ぶ。もっと大きなビカクシダは、同じマンション内の事務所で育成している。コロナ禍で外出できなかった時期に始めた趣味のひとつだ。

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賢吾さんがドハマりしたフライフィッシングもコロナ禍から。今年はフライフィッシング発祥のイギリスで釣りをし、50cm を超えるブラウントラウトを釣り上げた。デスクで毛ばり作りをする賢吾さんに、やっこがやさしく寄り添う。

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