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ふたりですむむ

東京都世田谷区
加藤竜八、加藤侑美

1人から2人へ。
変化を受け入れる余白。

Photo/Ayumi Yamamoto
Text/Hisashi Ikai

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Photo/Ayumi Yamamoto
Text/Hisashi Ikai

1人で暮らすつもりでリノベーションしたマンションの一室は、結婚を機に夫婦で暮らす「2人の住まい」へ。ライフステージの転機を迎えながらも、空間の設えは以前と大きく変えることなく、快適に暮らせているという。インテリアにこだわる夫と料理好きな妻が、気持ち良く暮らし続けていられる理由とは。週末のひとときをゆったりと過ごす、2人の住まいを訪ねました。

PROFILE Tastuya Kato & Yumi Kato

加藤竜八さんは眼鏡店を経て、広告会社に勤務。副業で民泊のインテリアコーディネートも手掛けている。2025年に食品メーカー勤務の侑美さんと結婚。互いに料理好きで、最近はタコスづくりに熱中。キャンプや野外フェスにも2人で頻繁に出かけている。土間に増え続けるアウトドアグッズをどのように整理していくかが今後の課題。Instagram:@kyoukandekin_life

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部屋の広さは約50㎡。ダイニングキッチンと一体になったリビングは22㎡ほど。デイベッド代わりに寝転ぶこともできるビッグサイズのソファは、ジャーナルスタンダードファニチャーで購入。

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食事ができる広さのカウンターと一体で設計したアイランドキッチン。夫婦ともに料理好き。食器や調理器具にもこだわりがあり、背面は「見せる収納」のオープンシェルフに。

移ろいゆく情景を映し出す、素材の奥行き。

4年前に築50年のマンションの一室を購入し、ひとり暮らしを思う存分楽しめる住まいへとリノベーションを行った加藤竜八さん。広さは約50㎡で間取りは1LDK。リノベーションにあたっては、自身で描いたプランをもとに本格的なイメージボードで「理想の空間」を設計者にプレゼンした、という強者だ。

趣味のキャンプ道具と洋服がずらりと並ぶ広い玄関土間。料理しながら友だちと語り合えるオープンキッチン。小窓がついた開放的なバス&サニタリー。どれも加藤さんが叶えたかったことばかりで、リノベーションの完成当初はあまりの嬉しさに朝5時半に起き、部屋の中央に立ってぐるりと見回すのを日課にしていたという。

そんな夢の空間でひとり暮らしを満喫していた加藤さんが結婚することとなり、この家に夫婦で暮らすことになったわけだが、2人の家になってからも間取りは同じ。家具のアレンジや物の配置替えで、上手くバランスを整えている。

「一緒に暮し始めると、化粧品や洋服、バッグなど、必然的に彼女のものが家のなかに増えていきます。だから最初は個室を追加した方が良いのかと考えたこともありました。でも、部屋をコマ割りにせず、スペースの隙間にある余白を生かせば、ライフスタイルの変化にも柔軟に対応できるとわかったんです」(竜八さん)

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玄関からリビングを見通す。廊下もパーケットフローリングで、廊下を挟んで右側に小窓付きの寝室、左側にバス&サニタリールームがある。リビングは、大きな掃き出し窓からたっぷりと光が入る。

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「自分の好きなものをずらりと並べて、眺めるスペースがほしかった」。そう語る竜八さんは、ショップディスレプイを参考に玄関脇に土間を設計。趣味の洋服やアウトドアグッズなどをまとめて収納している。

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リビングの一角。棚はオランダで1920年頃につくられたヴィンテージで、最上段にはブラウンのラジオ&レコードプレイヤー「SK5」。ペンダントライトは、ルイス・ポールセン「PH-5 mini」を選んだ。

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窓辺の椅子は、ネットで見つけて竜八さんが一目惚れしたという、HUMAN MADEとアーユル・チェアのコラボレーションモデル。「可愛らしい見た目なのに、人間工学に基づいたきちんとした機能性を担保している」。

土間を整理し直すと同時に、寝室の壁と柱の間のスペースを活用し、侑美さん専用のワードローブをDIYで造作。リビングには空間に圧迫感を与えないよう、あえて高さを抑えたローボードを設置した。アイデアを絞り、「増えた物」を収める工夫を細かく重ねながら、プロジェクターで映画を楽しむための「壁の余白」も確保している。

2人で暮らすにあたり役立っているものの筆頭はキッチンだ。夫婦ともに料理が好きで、大きなカウンターキッチンは、同時に立っても使い勝手が良いと侑美さんも気に入っている。特にリビング側に延ばしたカウンターは、広いワークトップでもあるから料理の下ごしらえがスムーズ。ダイニングテーブルを兼ねているので、省スペースなうえ配膳や片付けも楽だ。

「アイランド型は調理中も会話できるし、以前にも増して週末に友人が集まる機会が増え、料理のレパートリーも増えました」(侑美さん)

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侑美さん。ダイニングテーブルを兼ねたキッチンのカウンターにて。「在宅勤務をしていることもあり、平日は私が台所仕事を担当。休日は夫がキッチンに立ってくれます」。

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調理道具もデザイン優先で選ぶことが多いという竜八さん。家電はブラックとシルバーで統一し、すっきりとまとめている。「オープンシェルフは見た目もきれいですし、取り出しやすい」。

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クールな印象のステンレスカウンターの片隅に編み物でできた花を飾り、空間に華やかさと彩りをプラス。かわいらしいフラワーベースカバーは、サボテン由来のヴィーガンレザーを使用したGoodmoodの「Nude vase」。

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2人で暮らすにあたりリビングに買い足したローボード。プロジェクターで映像を投影する余白を壁に残したいと、「背の低い収納家具」を探し、unicoで購入。天板は小さなオブジェを飾るスペースに。

ソファに並んで腰掛け、ときおり顔を見合わせる2人。その背景には、細かな凹凸を持つコペンハーゲンリブの木壁。インテリアのアクセントになっており、マンションの一室でありながら、戸建てのような落ち着きを感じさせる。床は市松模様のパーケットフローリングで、バーチカルブラインドから漏れ入る柔らかな光が映る。

「モダンだけど、どことなく懐かしくて、温もりがある。ひと昔前の建築家の自宅ってこんな感じだったのかなと、勝手にイメージしながら素材を一つひとつ選んでいきました」(竜八さん)

この部屋の魅力は、そんな選び抜かれた素材の美しさ。情景がゆっくりと移ろいゆくさまを受け止める奥行きがある。その奥行きが、残した「余白」同様、2人の快適な生活を支えている。

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眼鏡店に勤務していたこともあり、眼鏡コレクションが豊富な竜八さん。壁掛けのメガネスタンドはインテリアの一部。「目が良くて、実はすべて度なしの伊達眼鏡。かける必要はないんですけど」と笑う。

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侑美さん愛用のカップは、ベルギーの老舗陶器メーカー「BOCH」のヴィンテージ。職人によるハンドペイントならではの温かみが魅力。コーヒーを淹れるのはもっぱら竜八さんの役割で、ラテアートも得意だという。

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